妊活支援士はるみです。
男性の生活習慣について、①ではおもに食習慣と妊活について、一般的に注意してほしい点やよく見られるケースを取り上げました。
実際にはストレスや飲酒・喫煙などの生活習慣、生活環境に関わる質問を多くいただきます。
こちらも妊活への影響は大きいものの、「加齢」以外は自分次第で変えられる可能性があるものなのです。
ストレス
普段からストレス解消できていますか?
ストレスの直接的な妊活への影響は、「ED(勃起不全)」ですが、影響はそれだけではありません。
ストレスが原因で眠れない、とういう状態になると、睡眠の「質」が下がります。
「質」が下がると、身体や脳の疲労が取れない、必要なホルモンが分泌されない、免疫機能が乱れる、といった現象につながります。
ホルモンが分泌されなければ、精子を作る働きは鈍り、数が少なくなってしまいます。
また、ストレスが原因で何かしらの薬を常用している場合なども、注意が必要です。
例えば、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と言われる胃薬には、精子の数が減少する、と言った報告があったり、抗うつ剤によって精子の性質が変化し、受精率が下がるなどの報告も見られます。
喫煙
喫煙による健康被害は、肺や脳に対しての影響がかなり知られています。
また、妊娠中の胎児に影響するということはよく知られていると思いますが、その前段階である妊活にどのように影響するのか、具体的に知っている人はそう多くないのではないでしょうか?
喫煙は、血管を収縮させる効果があります。
血管が収縮すると、血液の流れが悪くなるので、末端まで血液が十分に回らなくなります。
生殖器に酸素や栄養が回るのは後回しになっているところに、十分血液が流れていないため、精子を作るための材料が足りなくなってしまうのです。
精子の数が減り、運動率の悪い、やる気のない精子が出来上がります。
また、血流が十分でないために、ED(勃起不全)につながる可能性も。
電子タバコなどの代替品についても、同様の影響があるか、あるいはまだ解明されていない副作用が今後判明する可能性もあるため、代替品でやり過ごすより、すっぱりやめたほうがいいでしょう。
睡眠
睡眠で問題になるのは、「質」です。
すでにお話した通り、睡眠の「質」が下がると、身体や脳の疲労が取れない、必要なホルモンが分泌されない、免疫機能が乱れる、といった現象につながります。
睡眠で大事なのは、睡眠時間ではありません。
入眠後の最初の90分の間に、しっかり深い眠りをとれているかどうかがポイントです。
眠りにつくまで時間がかかる、夜中に何度も目が覚める、昼食後に眠くなる、などの状態が見られる場合は、睡眠の質が良くない可能性があります。
加齢
男性は、比較的高齢でも子供を作ることができます。
それは、女性の卵細胞が生まれた時から存在する限られた数の中から作られるのに対し、男性の精子は新しく作られることによります。
だからと言って、年齢の影響がないわけではありません。
車で例えれば、新車の時と比べて、5年、10年乗り続けた車は燃費も悪くなるし、きちんとメンテナンスしないと故障したりしますよね。
それと同じように、精子を作る機能も、年齢を重ねることで衰えてきます。
若い頃は何ともなくても、年を重ねたというだけで、
・精子の変形率の上昇
・運動能力の低下
・遺伝子異常
・精子数の減少
などが起こるのです。
そして、メンテナンスをしなければ、衰えは加速します。
年齢が高くなると、加齢に加えて、喫煙やストレスにさらされる期間も長くなるため、きちんとしたメンテナンスが必要になるのです。
禁欲期間
「数日禁欲して精子を溜めたほうがいいのか」という質問もいただきます。
私からの回答は「NO」です。
溜めておいても、精子の生存期間は3日程度と言われており、お役御免となった精子は身体に吸収されてしまいます。
禁欲したからと言って、精子数が増えるという期待はできません。
さらに、ストレスにさらされる期間が長くなるため、精子の質が落ちる可能性があります。
精子は“生もの”なのだと考えましょう。
②のまとめ
②では、実際に多く質問をいただくことを中心にまとめてみました。
①、②とも、自分次第で改善できることがほとんどです。
そして、精子のもとになる細胞は約3か月かけて準備されるため、妊活中の男性は、3か月後の精子の質を上げる取り組みを今から始めることをおすすめします。