「医師が教える食事術」

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健康関連
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妊活支援士はるみです。

私たちが普段意識している、「1日に必要な栄養」。

厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」がもとになっています。

これは5年ごとに見直しされており、栄養士などが食事の指導をする際の基準にもなっています。

例えば、「1日30品目食べましょう」と言われていたのを、ご存じの方も多いと思いますが、それを掲げていたのがこの摂取基準。

しかし今は「1日30品目」とは言われていないことをご存じですか?

「医師が教える食事術」

糖尿病専門医である、牧田善二先生。

最近書店に行くと、牧田先生監修の本がたくさん出ていますね。

「医師が教える食事術」は、糖尿病専門医として患者を診察・指導してきた牧田先生の経験と、信頼度の高いエビデンスなどの蓄積されたデータをもとに書かれた本です。

1冊目の「医者が教える食事術 最強の教科書」は、栄養について私たちが知らないことや勘違いしていることなど、間違った知識に気づかせ、「肥満」「老化」「病気」がどのように起こるのか、そのメカニズムについて説明した上で、本当に健康になるための食事について書かれています。

2冊目の「医者が教える食事術2 実践バイブル」は、毎日の食生活の中で、いかに正しい食事を実践していくか、食材ごとなどにより具体的に書かれています。

そして、「絶対に病気にならない食事法はない」とした上で、病気の早期発見や治療についても紹介されています。

2冊を通して、牧田先生が繰り返し話しているのは、私たちの身の回りにあふれている「糖質」について。

牧田先生は、病気や不調の9割が、血糖値が原因で起こっている、とおっしゃいます。

便利で豊かになった食生活の裏で、過剰に添加されてきた糖質。

その糖質が、私たちの身体に望ましくない様々な影響を与えています。

合併症を減らすために

一般的に、医学部には栄養学に関するカリキュラムがありません。

牧田先生は専門の糖尿病による合併症を減らすために、栄養や生化学について詳しく研究されたそうです。

よく知られる糖尿病の合併症は、「神経障害」、「網膜症」、「腎臓障害」、「動脈硬化」など。

他にも、「糖尿病性白内障」「糖尿病性ケトアシドーシス」などもあります。

命に関わったり、QOLを下げる原因になることも少なくないため、糖尿病になる前から、血糖値をコントロールすることが重要になってきます。

糖質って?

一時、「糖質制限ダイエット」が流行りましたね。

この「糖質」は、砂糖のほかにも炭水化物などが含まれます。

炭水化物の中でも、野菜などは食物繊維やビタミン、ミネラルを含むのですが、精製された小麦や砂糖、白米などは、その他の栄養がほとんどなく、ほぼ純粋に糖質のみです。

WHOが2015年に、「1日の糖質摂取量の目安を約25gとする」と発表していることをご存じでしょうか。

この「糖質」は、単糖類・二糖類・はちみつ・果汁(濃縮果汁)などが含まれます。

一方、私たちの身体には、糖から作るエネルギーしか使えないものもあります。

脳や神経、赤血球などは、糖から作るエネルギーしか使えませんが、1日の必要量は130g程度あれば十分と言われています。

白いご飯100g中、糖質は約37g。

お茶碗一杯が約150gなので、糖質は約55gになります。

55gというと、カフェにおいてあるスティックシュガー(3g)の18本分以上の糖質です。

牧田先生は、体重維持の場合で、男性なら1日120g、女性で1日110g、減量する場合は1日60gを目安にすることを勧めています。

もし糖質量が少ない場合、私たちの身体は脂肪などから糖を合成することができます。

<参考>
コーラ 500ml中 約55g
某エナジードリンク 100ml中 約10g
ポテトチップス系 1袋(50~60g)中 約30~40g
オレンジジュース(濃縮還元) 200ml中 約21g

炭水化物の1日の必要摂取量は?

冒頭でお話した、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、炭水化物の1日の目安量を、1日の総エネルギーの50~65%(1日2,000kcalとすると、1,000~1,300kcal)としており、約300~350g程度が目安量と考えられます。

しかし、実は炭水化物については目安量算出のエビデンスレベルが一番低い上に、「炭水化物の目標量は、総エネルギー摂取量(100%エネルギー)のうち、たんぱく質及び脂質が占めるべき割合を差し引いた値である。」とされています。

かみ砕いて言うと、「炭水化物はどのくらい必要か分かんないから、必要なエネルギー摂取量からたんぱく質と脂質を抜いた分ってことにしとくね」ということなのです。

ですから、これを基準に組み立てられた献立も、実は必要以上に糖質を摂取させられているかもしれない、ということになります。

身体は食べたもので作られる

牧田先生の本を読むと、自分自身が口にするものについて、しっかり考えることが大事だと思い知らされます。

「牧田先生のおっしゃっていることが、100%正しい」と言ってるわけではなく、糖質だけでなく、たんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルなど、必要な栄養素について、あるいは添加物や人工甘味料など、避けたいものについて、考えるきっかけを与えてくれるのです。

例えば、ラーメンが食べたいけど、どんなラーメンならいいのか。

そんな例も載っています。

許容できるところを示してくれている点が、普段の生活で実践しやすくなっているのです。