妊活支援士はるみです。
新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、
2019年4月1日、日本生殖医学会から、不妊治療を延期するよう声明が出されました。
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明
妊活や不妊治療について、今どうしたらいいのか、迷う人も少なくありません。
ご相談も何件かいただいたので、情報を少しまとめてみました。
不妊治療延期、なぜ?
妊娠初期の胎児への影響が明らかになっていない
例えば、タバコやアルコール、いくつかの感染症、薬に含まれる成分は、胎盤を通過して胎児に直接影響してしまうことがわかっています。
しかし、新型コロナウイルスの場合は、まだ胎盤を通過するのか、どんな影響が出るのか判明していません。
妊娠初期の胎児は、ものすごいスピードで成長しています。
細胞分裂を活発に繰り返している時に、胎盤を通過してしまったものが影響を与えることで、発達障害や奇形などの原因になる可能性があるのです。
日本産婦人科感染症学会の発表では、胎児への感染が疑われる報告があるとのことですが、感染した胎児がどういった影響をうけるのかは、まだわかっていません。
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、妊娠中ならびに妊娠を希望される方へ
妊娠中に感染すると重篤化する可能性
妊娠すると、免疫力が低下しますが、その原因は複数あります。
・胎児を異物として排除しないよう、免疫機能が低下
・妊娠によるホルモンバランスの変化
・つわりなどによる栄養不足
・体調が変わったことによる睡眠不足
・出産への不安や、妊娠生活が思い通りにならないストレス
免疫力が低下している人が新型コロナウイルスに感染した場合には、重篤化することがすでにわかっており、妊婦にも同じことが起こると考えられるのです。
妊婦に使用できる薬が見つかっていない
現段階で、新型コロナウイルスに対しての特効薬は見つかっていません。
見つかったとしても、薬は多くの場合 副作用を伴ううえ、その副作用が胎児に及ぼす影響について判明するには、さらに時間がかかります。
今は妊婦に対して、安全に処方できる薬が見つかっていないのです。
そんな状況で妊婦が感染した場合、治療がとても難しくなってしまいます。
妊活・不妊治療は延期すべき?
何を優先する?
妊活や不妊治療を延期することは、赤ちゃんとママの命を守るための選択です。
今まで見てきたように、妊婦が新型コロナウイルスに感染すると、母子ともにかなりの危険があります。
ですから、年齢的に余裕がある人であれば、延期もひとつの選択肢でしょう。
年齢的に少しでも早く不妊治療を…という場合は、まず病院に相談してみましょう。
日本生殖医学会では、病院と相談して、胚や卵子を凍結保存するよう勧めています。
年齢が高くなればなるほど、卵子の老化によって妊娠しにくくなるため、妊娠を先に延ばすにしても、採卵はしておいたほうがいいかもしれません。
今より若い時はない、というのは、卵子も同じなのです。
逆から考えてみる
例えば排卵誘発剤で有名なクロミッドは、子宮内膜が薄くなる副作用があります。
採卵と受精卵を戻す期間をあけることで、子宮内膜を着床しやすい状態にすることができるかもしれません。
「今やらない」という選択について、メリットを探してみましょう。

今できること
新型コロナウイルスが終息したら、すぐにでも妊娠したい!
それが今の気持ちだと思います。
では、妊活を再開した時に妊娠しやすくなるためには、どうしたらいいと思いますか?
今、一番取り組んでほしいのは、身体をしっかり作っておくことです。
そこで大事なのは、しっかり栄養を摂って、しっかり睡眠をとり、軽く運動すること。
外出自粛でつまらない、妊活延期でやる気ない、と、炭水化物中心の栄養の少ない食事になっていませんか?
こんな時だからこそ、気を抜かずにしっかり栄養を摂るようにしましょう。
今の生活が、妊活再開した時のあなたの身体を作ります。


