妊活支援士はるみです。
「え? カルシウムってミネラルなんですか?」
先日も、お話していてこんな質問がありました。
ミネラルについても、ざっくりとした情報や間違って覚えているかたがいそうなので、今日はミネラルをおさらいしていきます。
ミネラルとは
ミネラルは生物が生きていくのに必要な栄養素のうち、無機物と言われるものです。
ビタミンと同様に、身体のさまざまな機能を正常に保つために必要な栄養素で、体内で合成できないため、食物から摂る必要があります。
日本では13種類を必須ミネラルとして摂取基準を設けています。
必須ミネラルは、体内に比較的多く存在する「主要ミネラル(多量ミネラル)」、体内にわずかしか存在しない「微量ミネラル」の2種類に分けられます。
主要ミネラル(多量ミネラル)
主要ミネラルは、体内に比較的多く存在するもののことですが、逆に言えば、体外から摂取する必要量が多いものでもあります。
1日の摂取量がだいたい100mg以上のものです。
ナトリウム
体液の浸透圧の調整や、体内の水分量の調整に関わるミネラル。
胆汁、膵液、腸液などの材料でもあります。
いわゆる食塩は「塩化ナトリウム」のことであり、塩やしょうゆなどの調味料で摂取することができます。
摂りすぎるとむくみの原因になったり、のどが渇いたりします。
カリウム
ナトリウム同様、体液の浸透圧の調整や、体内の水分量の調整に関わっています。
また、神経の情報伝達を正常に維持する役割があるため、精神を安定させる作用もあります。
ナトリウムとバランスをとりながら作用するため、このバランスが崩れると、内臓の機能低下や発育不全などの症状がみられます。
カルシウム
体内のカルシウムは、99%は骨と歯に存在します。
残りは筋肉や血液のなかに存在しています。
鎮静作用があり、精神を安定させるほか、細胞の分裂や血液凝固作用など、一般的に知られている骨を形成する役割以上に、身体の中で働いています。
マグネシウム
体内での栄養の分解、合成、神経伝達など、様々な働きがあります。
300種以上の酵素の働きをサポートしており、腸管から吸収される際は、ビタミンDによって吸収が促進されます。
身体の機能維持に重要なミネラルですがアルコールの摂取でも排出が促進されるので、意識して摂りたい栄養素です。
リン
リンはカルシウムやマグネシウムと仲良しですが、現代の食習慣では不足することは稀で、どちらかというと過剰に摂取しているケースが多そうです。
というのも、リンは加工食品に多く添加されているからです。
多く摂りすぎると、カルシウムの吸収を阻害する場合があります。
細胞膜や核酸の構成要素であり、身体の様々な機能に関わっている栄養素です。
微量ミネラル
主要ミネラルの逆で、1日の摂取量が100mg以下のものを、微量ミネラルと言います。
摂取量は微量ですが、添加物や拮抗する栄養素との関係で排出されてしまったりして、必要量を摂取するのがなかなか難しいミネラルです。
鉄
鉄分不足で貧血になる、というのは知っている人が多いと思いますが、その理由を知っていますか?
私たちの身体に酸素を運ぶ赤血球。その赤血球が酸素を輸送するのに、鉄を使うのです。
鉄が少ないと、酸素を運ぶ手段が少なくなり、貧血=酸欠状態になります。
亜鉛
亜鉛は身体中の細胞に存在します。
免疫機能やDNAの合成など、補酵素として様々な働きをしています。
不足すると発育不良や味覚障害、生殖機能障害などの身体の不調のほか、情報伝達がうまくいかなくなり精神的な部分にも影響があります。
銅
鉄が身体の中で働けるように助けているのが、銅です。
その他にも骨や血管壁を強化したり、さまざまな酵素の働きを助けるなど、重要な役割を担っています。
マンガン
マンガンは、活性酸素を取り除くSOD(スーパーオキシド・ジスムターゼ)の構成成分で、酸素を使ってエネルギーを作るミトコンドリアに多く含まれています。
成長や生殖に関係する酵素に関係していたり、脳下垂体の機能を高める働きもします。
ヨウ素
甲状腺ホルモンの材料となる栄養素であり、ホルモンとしてたんぱく質の合成や酵素反応、細胞の活動、神経細胞の発達、末梢組織の成長、エネルギー代謝に関わるほか、成長ホルモンとともに成長を促す働きがあり、発育に不可欠なホルモンです。
ヨウ素は日々の食生活で十分な量が摂取されているといわれています。
セレン
体内の量はわずかですが、酵素や抗酸化作用などの働きがあります。抗酸化作用のあるビタミンCやEと一緒に摂ると、さらに抗酸化作用がアップします。
ただし毒性が強いので、過剰摂取には気をつけてください。
クロム
糖質や脂質の代謝を助け、生活習慣病予防に効果があると言われています。
血糖値を安定させる働き、血液中の中性脂肪やコレステロールを正常に保つ働きがあります。
モリブデン
鉄の働きを高めるため、貧血予防に効果があります。
糖質や脂質の代謝やプリン体を尿酸に変化させたり、補酵素としていろいろな役目を担っています。
バランスよく摂らなければいけない理由
必須ミネラルとその働きのうち、代表的なものを紹介しましたが、実際はここに書かれたよりもっともっとたくさんの働きをしています。
そしてマグネシウムとビタミンDを併せて摂取することによって、吸収率があがったり、鉄が赤血球を作るために変化するのを、銅が助けていたりするように、ビタミンと同様にミネラルも、身体に作用するためにほかの栄養素とチームを組みます。
そのため、バランスよく多くの栄養を摂取することが必要になるのです。
ビタミンやミネラルは糖質や脂質の代謝に大きく関わっているので、足りないと、摂取した糖質、脂質をエネルギーに変えることができません。
つまり、消費されなかったものは、すべて貯蓄に回ります。
カロリーは抑えているのに、やせない。
そんな時は、ビタミンやミネラルが足りなくて燃焼に回せず、仕方なく貯蓄されている可能性があります。
食べたものを貯蓄に回さず、健康的に燃焼するために、ミネラルは欠かせない栄養素なのです。